マスコミで依存症を取り上げるとき、回復した経緯や今までの人生を振り返ることが多いですよね。
なんか、まじめーなくらーいおもーい感じ。

それが悪いというわけではありません。
記者さんの「見てくれる人、読んでくれる人に正しく理解してもらいたい」という気持ちがそうさせるのでしょう。

ちょっとでもふざけたり、ちょけたりしたら「なんだこいつ、本気で治したいと思ってんのか」と視聴者や読者に思われるからだと思います。
特に、いまのご時世は・・・そうかな。

関心をもち、取材してくれる記者さんには心より感謝します。
これからも、鳥取ダルクを取材して取り上げてほしいです。

前置きが長くなりましたが、
見守る会ブログでは、メンバーの魅力あふれる才能や趣味活動など、知られざる面を紹介していけたらと思います。

今回は、ダルクスタッフともさんの絵です。
写真では伝えきれないのですが、細かな線描写で描かれています。
(1)~(4)まで、ご覧になって、いかがでしょうか。

画材は「コピー用紙にボールペンと鉛筆」
完成までの時間は、一作品平均で約20時間くらいだそうです。

ともさんにインタビューしました。

 ☆・☆・☆

クリーン期間※1は約13年。
子供の頃から絵を描く事が好きで、絵を描く仕事に就きたくて地元を離れ地方のとある大学に行きましたが、飲酒が止まらなくなり、絵を描く仕事には就けませんでした。

しかし、今はダルクのスタッフをやりながら、時間が空いた時に趣味として絵を書いています。
 
絵を描くことは好きなので、描きだしたら集中して描けますし、描いている最中も楽しいです。
自分のため、そして渡す相手のために思いを込めて描いているので、終わった後はとても良い気持ちになります。

アルコールが止まらなかった時期も絵は描いていましたが、ただ自分の世界に入って自己満足だけでした。
今は、あまり絵にのめり込んで偏り過ぎないように自分自身の回復プログラム、ミーティングや仕事も含めてバランスをとって無理しない程度で描いています。

※1 クリーン期間・・・依存をやめることができている期間。依存症の人は「治った」という表現ではなく「クリーン〇年です」という言い方をします。

 ☆・☆・☆

ともさん、ありがとうございました。

ここにある4点の作品は、ともさん自身が気に入っている絵です。
管理人がいくつか選んでください、とお願いしました。

それぞれの絵の下には、ともさんの「この絵を選んだ理由」も併記しました。
絵を見たあとに、彼がどんな思いで描き上げたのかも合わせて読んでみてください。

ほんの少しですが、彼の人間的な部分を知ると、「依存症自助回復施設にいるアルコール依存症だった人」ではなく、ただの人間としての「ともさん」と向き合っている気がしますね。
なにが私たちと違うんだろう、いや何も違わないんだということがよくわかるんじゃないかな。

それでは、また。


(1)
鳥取ルーテル教会(絵画)①

鳥取福音ルーテル教会で平成21年の7月26日に自分が洗礼を受けさせて頂いたあとに書いて、牧師夫婦にプレゼントした絵です。鳥取ダルクに繋がってから初めて時間をかけた絵なので気にいっています。


(2)
鳥取ルーテル教会(絵画)②
(3)
鳥取ルーテル教会(絵画)③

(2)と(3)は、鳥取ルーテル教会設立60周年記念の際に書いて鳥取福音ルーテル教会にプレゼントした絵です。


(4)
④チーさんの絵

(4)はチーさんがクリーン期間8年目を迎えた約10年ちかく前、感謝の気持ちを絵にしてプレゼントしました。初めてチーさんにプレゼントした絵です。